電気用品安全法(電安法)で規制される電気用品は、たった454品目。何千、何万種類と存在する電気製品のなかで、たったこれだけの品目が電安法の対象だなんて、安全性の観点から物申せば、なんだか不安になってしまいます。
製品が「対象外」だと判ったとたん、初心者に多いのが(とくに輸入事業者)、「よかった、対象外だ!」という喜びの感想です。しかしこの喜び、いったい何に対して発せられた喜びなのでしょうか。
当然ながら、「対象外」の製品は、電安法の規制を受けません。事業者は、届出事業者に課せられる義務を果たす必要もない。つまり、彼らには、技術基準適合確認も、自主検査も、表示義務も、届出義務も、一切関係ないのです。
しかしだからといって、「対象外」の製品を、なんの検査や確認なしに、市場に投入することは決して賢明な選択とはいえません。最近の社告や事故例を見てください。「対象外」製品でも、当然のように事故は起こるし、注意喚起も出されます。また、部品修理やリコールもありえるのです。また、改正消安法は、製造事業者および輸入事業者に対して、製品の事故が発生した際の報告、および、それに対する措置の報告を義務付けています。
事実、多くの国内メーカーでは、社内基準を設定したり、国際基準を適用するなどして、「対象外」製品についても安全性を検査します。「対象外」だからと、決して、これを怠りません。場合よっては、第三者機関に試験を依頼するなど、外部の見解を取り入れた安全性確保にも積極的に取り組んでいるのです。
一方、輸入事業者においては(とくに小規模業者)、「対象外」製品に対して、動作確認だけを行い、市場に投入するケースも少なくないようです。その名のとおり動作確認は、製品が動作するかどうかを確認しているのであって、これで安全性を確認したつもりになってはいけません。
「対象外」製品であっても、安全性の確保は大切です。とくに、海外から電気製品を輸入する場合には、メーカー側で保持している安全検査レポートや、回路図、部品表など、製品の安全性に関わる情報を収集しておくことが大切になるでしょう。
取り寄せた情報を「技術ファイル」などにして、常に社内に保管しておくのも良いアイディアです。こうしておけば、万一の事故発生時にも、即座に対応することができるでしょう。
消費者の安全への関心が高まる中、「対象外でラッキーだ!」なんて、思わないように…。製品の技術的なことがわからない、安全性もわからないでは、事故発生時の措置が遅れるのはもとより、会社の信頼性も失いかねません。


