蔵出し情報 - 電気用品安全法(PSEマーク) - 技術基準適合確認試験に対する大きな誤解、耐圧試験だけでOK?


技術基準適合確認試験に対する大きな誤解、耐圧試験だけでOK?

 

電気用品安全法において中古品に対するPSE騒動の副産物として、世間ではどんな製品でも耐圧試験(製品に高い電圧をかけて絶縁性能を検査する)さえすれば、丸PSEマークを表示して市場に出せるという説明が横行しました。
『耐圧試験を行ってOKなら、その場で丸PSEマークシールを貼って出荷できますよ!』『丸PSEシールの100枚単位での販売も行っていますから!』 などというセールストークまで飛び交っていました。 耳を疑いたくなる! ここに大きな落とし穴があります! 製品安全の知識に乏しい輸入事業者の方はこのような説明を受けて、耐圧試験だけ行って製品を市場に大量投入する。そしてその結果、後で痛い目に遭うこととなるのです。幸運にも製品で事故が起こらなければ問題ないのでしょうか?  
それはどういうこと? 
皆さんは、市場では、当局の市場買い上げ試験(所謂、市買試験)が定期的に行われていることをご存知だろうか? そこで電気用品安全法 技術基準適合確認がなされてない(製品の安全性を十分確認されてない)という事実に直面することになります。
 
まず耐圧試験はあくまで電気製品の安全をチェックする為のほんの1部の試験項目にすぎないということを理解していただきたい。 何故なら次の説明をよく理解していただければわかると思います。
 
電気製品を使うユーザーに対して危害を加えない、安全な製品を供給するため、次のような危険要因を考慮の上、製品を設計、製造しなければなりません。
 
製品に安全性に関わる危険要因:
1)火災の危険 (過熱、異常温度上昇の危険)
2)感電の危険 (絶縁不良、漏電、故障時の危険、誤った使い方による危険)
3)傷害の危険 (指ツメ、はさみ、転倒、落下、駆動部による怪我の危険)
4)爆発・破裂の危険 (電池、電解コンデンサー、可燃性ガスの発生の危険)
5)毒性の危険  (毒性のある部品の使用、発煙の危険)
6)電磁波・放射線の危険 (X線、レーザー光線、紫外線による危険)
 
安全な製品とは、このような危険要因を取り除くことが必要であり、そのことを踏まえて 総合的に技術基準が設定されています。技術基準適合試験とは、耐圧試験だけ行って確認はできません。安全性に関わる危険要因がないかどうかを総合的に試験する為のものです。
では技術基準に基づく基準適合試験とは具体的どんな試験がされるのでしょうか?
以下が代表的な試験項目例です。

温度上昇試験: 
各部の温度を測定し限度値を超えないか、火傷の危険、火災の危険がないか確認する。
漏れ電流試験:
感電の危険がないかどうか確認する。
異常試験:
部品故障を想定して、部品の短絡(ショート)開放(オープン)を行う。通気口を塞いで異常状態を想定し火災の危険がないか確認する。
 
温度コントール回路を壊し(温度コントロールを殺し)火災の危険が生じないか確認する。
過負荷試験:
モーターの拘束を行い危険が生じないか確認する。
トランスの過負荷試験:
トランスの負荷を過負荷状態にし、危険が生じないか確認する。
引っ張り試験:
電源電線等に張力を加え、危険が生じないか確認する。
インパクト試験:
製品の外郭(ケース)に衝撃を加え危険が生じないか確認する。
耐圧試験:
絶縁が確保されているか確認する。
耐湿試験:
湿度の影響で絶縁性能が保たれるか確認する。
プラスチック材の燃焼試験:
プラスチック材の難燃性、自己消火性能を確認する。
 
 

ほんの代表的な試験の一部だけでも、これだけの項目があります。
もうおわかりだと思いますが、耐圧試験だけでは、到底製品に内在される危険要因は検出できないでしょう。
 
市場買い上げ試験の話に戻ります。
市場買い上げ試験では、買い上げされた製品が技術基準に適合しているかどうかを検証するため、技術基準の中にある要求項目の試験がすべてなされます。 耐圧試験だけでOKとされていた製品はすべての項目にわたって再試験されるわけです。そこには惨たんたる結果が待ち受けているのは言うまでもないことでしょう。
 
製品の技術基準適合確認試験はなかなかに多岐にわたり、時間がかかるものなのです。
 

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