こんにちは、PSEジャパンの櫨山です。
忙しさに紛れ、しばらくブログを更新しない間に、季節はすっかり秋になり・・・といいたいところですが、こちら京都でもまだまだ暑い日が続いております。
さて今日は、皆様お待ちかねのLEDランプおよびLED電灯器具の技術基準について。
同時に、リチウムイオンバッテリーについてもパブリックコメントが出ておりますが、本日は、またまたLEDにフォーカスしてお話させていただきます。
2011年11月4日付けで、関連する電気用品の技術基準を定める省令、電気用品安全法施行規則の改正案がパブリックコメントに付され発表されました。つまり、ようやく案が固まって、その案について、国民の皆様から広く意見を募集しようという段階ですね。
パブリックコメント意見募集:
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=595111064&Mode=0
今後のスケジュールは以下のとおりです。
2011年12月5日:パブリックコメント受付終了
2011年12月末:公布
2012年7月1日:施行
ここで、初めて技術基準をお読みになる方のために、新旧対照表の読み方を簡単に解説しておきましょう。あくまで、どなたにもご理解いただけるように、ここでは一般的な語句を使いますが、政令や省令に基づき、語弊が生じた場合はご容赦ください。
省令第1項に基づく技術基準には、別表第一~第九が存在します。一般的に家庭で使う電気用品の場合、そのほとんどに「別表第八」を適用します。
「別表第八」は二本立て。「(1)共通の事項」と「(2)個別の事項」で構成されます。今回、パブリックコメントに付されて出された表は、このうち「(2)個別の事項」に係わる部分です。つまり、新たに電気用品に追加された「エル・イー・ディー・ランプ」および「エル・イー・ディー・電灯器具」に対する「(2)個別の事項」が発表(新設)されようとしているわけですね。
ここで気をつけなければならないのは、この表に記載される事項だけが技術基準だと思ってはいけません。これら「(2)個別の事項」と合わせて、すでに存在する「(1)共通の事項」にも適合させるようにしなければならないことをお忘れなく。
それでは、話を戻し・・・まずは、技術基準(案)をじっくり読んでみましょう。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=595111064&Mode=0
(新旧対照)案 参照
「エル・イー・ディー・ランプ」は(5/14ページ)から、そして「エル・イー・ディー・電灯器具」は(6/14ページ)から、それぞれの基準が始まります。
あらら??
「電気スタンド」や「広告灯」、「ハンドランプ」、「装飾用電灯器具」なんてのもあるじゃない?
ハイ!そのとおり。
これら電気用品については、LEDを光源とする場合も、すでに現時点で電気用品安全法の対象となっております。例えば、LEDを光源とする「電気スタンド」。これは既に電気用品安全法の対象です。
ただ、そもそも「電気スタンド」の技術基準を作った時に、LEDなんてものは存在しなかったわけで・・・。これまで「電気スタンド(個別の事項)」ではLEDを想定しておりませんでした。ですから今回、「エル・イー・ディー・ランプ」と「エル・イー・ディー・電灯器具」の追加と当時に、すでに存在する「電気スタンド」ほか「広告灯」や「装飾用電灯器具」などの基準にもLEDを想定した要求を追加しようというのです。これに伴い、これまでLEDを使用した電気用品を届け出ている事業者の皆様にも、今回の技術基準の改正が人ごとではなくなりました。
さて、話は変わり、「一の口金」については、今も混乱が続いております。直管形のLEDランプは(電源内蔵)、今回の改正により対象になるのか、それとも今後も非対象なのかといった疑問が私のもとにも多く寄せられます。
両端に口金が付いた直管形。これは、「一の口金」ではありませんから、明らかに来年の7月1日以降も非対象ということになるでしょう。
では、両端に口金がついた直管形LEDランプのうち(電源内蔵)、片側給電タイプはどう考えればよいのでしょうか?見た目には、二つ口金がついていますよね。けれども給電は片側のみで、つまり、二つのうち、一つの口金(G13)は機械的に接続する目的のみで使用されています。
要するに、「口金」とはなんぞや?というところに議論のポイントがありそうです。
「電気的接続が可能かどうか?」というところで「口金」か否かということが決定するのであれば、やはり片側給電タイプは二つの口金を有し、非対象という考えになるのでしょうか。
技術基準(案)の中の、(6/14ページ)の中の「ハ 口金の接着強さ(イ)(ロ)」を見てみましょう。
G13に対する規定がありませんよね。
つまり・・・G13口金を有するものは電気用品ではないので、技術基準に想定する必要がないということでしょうか?
さらに、同じく11月4日に出された他のパブリックコメント募集にも注目してみましょう。
今回、技術基準にばかり気をとられがちで、こちらに目を向けた方は少なかったかもしれません。しかし、ここには、G13を用いた片側給電タイプの議論に関係して、非常に興味深いヒントが隠されています。
パブリックコメント意見募集:「電気用品の範囲等の解釈について」
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=595111065&Mode=0
なかなか広くは知られてはおりませんが、「電気用品の範囲等の解釈について」というのが存在します。電気用品名だけでは対象、非対象を特定するのが難しいため、こうした範囲を示すための解釈が存在するのです。
18ページの一番下を見てみましょう。
「『エル・イー・ディーランプ』については、JISC8156(2011)に規定する一般照明用電球形LEDランプ及びこれに類する電球形LEDランプを対象として取り扱う。」
なるほど、「JIS C 8156に規定する」・・・。ほぉ、「電球形」・・・。
これは、この言葉のとおりを解釈として読んでもよろしいのでしょうか?
「電気用品安全法施行令の一部を改正する政令」では、「エル・イー・ディー・ランプ」を「定格消費電力が一ワット以上のものであつて、一の口金を有するものに限る。」としておりました。平成23年7月6日以降、多くの人が「一の口金」について悩んだことでしょう。特に、片側給電の直管形LEDランプを製造、輸入する人は、必ずこの点に悩みますよね。
そのあたりが、この「電気用品の範囲等の解釈について」をもって、今、明らかになろうとしているのでしょうか。
いや~深い。実に深い。
今さら、それも、よりによって、こちらのパブリックコメント募集でこの解釈をぶち込んでくるとは……。
しかし、一番気になるのは、なぜ、このように「電気用品安全法施行令の一部を改正する政令」と「電気用品の範囲等の解釈について」という2ステップを踏まなければならなかったのか、という点です。
「一の口金」という、たったワンフレーズだけでは、いつでも解釈の範囲を広げたり、狭めたりすることができます。そうして時間を稼いでおいて、7月6日以降、これまでの間に、多方面と調整を取る必要があったのか?いや、なかったのか?
あくまで私の想像ですが、最近ではいろんな口金が登場していますから、それを技術基準に入れるのか、いれないのか、つまりは、電気用品安全法の対象にするのかしないのか?といった調整もあったのでしょうか。
最初から、この構図が決まっていたのなら、わざわざ「一の口金」で世の中を混乱さす必要もなく、はじめから「JIS C 8156(2011)に規定する一般照明用電球形LEDランプ及びこれに類する電球形LED」が対象である、と言っちゃえばよかったんじゃない?
政令に「JIS C」という直接的な文言をいれられないというのが理由であれば、「一の口金」なんてどうにでも取れる表現ではなく、もっと万人にわかりやすく、混乱を生じさせないための表現もあったでしょうに・・・。
いずれにせよ、私がここで述べる全体の構図の読み方が正しいかどうかもわからないわけで・・・。これらの読み方に右往左往させられながら、巷でも、しばらくは同様の混乱が続きそうです。
あちらの情報、こちらの情報と、点在する情報をリンクして全体像を読むのは本当に難しい。毎度のことながら、私も頭を悩ませます。公布のタイミングで経済産業省(局)による説明会等が開かれるのでしょうから、積極的に参加してこのあたりの全体像を早めに把握するようにしたいものです。
いずれにせよ、「一の口金」だけで片づかなくてよかったというのが私の率直な感想です。いつでも解釈を広げたり、狭めたり、そのうち日本人が好きな「慣例」ができあがる。そういうあいまいな運用にはなってほしくないな、と私自身思っておりました。もし、公布の時点で諸々の決着がついていて、それが明確に説かれながら周知されるのなら、その点は非常に喜ぶべきことではないでしょうか。
最後になりましたが、9月に開催されたセミナーにご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。
徳島、島根、ともに満員御礼!
定員を超える多くの皆様にお集まりいただきまして、心より感謝いたします。
両会場でも、特に「一の口金(いつの口がね)」の内容がいつ明らかになるのか?といった点に参加者の興味が集まっておりました。
(「一の(ひとつ)」と読むのでしょうか?わたしは「一の(いつの)」と読んでおりました。)
今後、ライティング関連のセミナーイベントでの講演も決まっております。
詳細が決定いたしましたら弊社HPでもお知らせいたしますので、皆様、ぜひ会場でお会いいたしましょう。