Daily Life - 欲しいのは、そのマークか?


欲しいのは、そのマークか?

 

こんにちは、PSEジャパンの櫨山です。
春の観光シーズンを迎え、京都駅はごったがえし。
外国人の観光客も目立ちます。
 
先日、大きなスーツケースを引っ張って電車に乗っておりますと、車内で外国人の家族に遭遇。私の大きなカバンを見ながら、「あの人もバケーションに行くんだね」とママに言っている男の子に、「ビジネスだよ。ジャパニーズビジネスマンは大きなカバンに夢をつめて北から南、旅している。」と言ったら、そんな私に非常に興味を持ったらしく、京都駅に着くまでの間、ずいぶん親しげに話してくれました。
 
聞くところによれば、彼の最大の旅の目的は映画村で忍者に会うこと。シュリケンの投げ方を教えてもらうのだとか。
 
「忍者はそんなに珍しいのか?」と尋ねれば、
「毎日、忍者を見ているYouにはその良さがわからない」と言われてしまいました。
毎日どころか、50年生きてきた私ですら一度も本物を見たことないんですがね…。
 
ところで、話は変わりますが、先日テレビで通販番組を見ておりますと、少々驚くことがありました。芸能人も登場するいわゆる「テレビショッピング」の番組で、マッサージチェアを販売していました。
チェアを並べてみんなで揉まれてみる…そして恒例の感想タイムです。
 
「これはすごいですね~。手もみの感覚です。」
「ほんとうに気持ちいいわぁ~うっとりしちゃう。」
と、お決まりの文句が飛び出します。
 
「でも、これってお高いんでしょ?」
 
「いえいえ、そんなことはありません。今日は特別に、○○円でお願いしますっ!」
(会場がざわめく⇒拍手する。)
 
「えぇ!こんなに本格的なのに?(女性が言う)」
「しかもこれは医療機器なんです。(男性が張り切って言う)」
「えっ?これって医療機器なの?」
 
(再び、会場がざわめく⇒言葉には出さなくても、「どおりで~。なるほど」という空気になる。⇒そして画面の下に医療機器の認可番号が表れる。)
 
おかしい!おかしい!何かが・・・おかしい!
会場の空気がおかしいじゃないか!
 
そんなに会場全体で驚かなくても、どのマッサージチェアも医療機器です。
あなた方が売っている「それ」も医療機器ですが、他社製も同じく医療機器であるのが事実です。
 
ですから、「しかも、これは医療機器なんですっ!」と、わざわざ宣伝しなくてもいいんですよ。
だって、それは「そもそも」薬事法で定められた医療機器なんだから。
 
明確に言葉には出さないものの、会場の空気からして、「その製品の機能が認められて格式ある(?) 医療機器になることができた」とでも言っているような感じにもとれます。「医療機器になることを認められたマッサージチェアだからすごい!」といったようにも聞こえます。
恐らく、医療機器をアピールすることで、消費者の反応や信頼も変わってくるのでしょう。
 
実はこれまでに私が受けた相談の中にもそうした話がありました。
わざわざ製品の効能効果を前面に押し出して、なんとか薬事法にひっかかりたい。
医療機器に仕立て上げたい、というのです。
 
また電気用品安全法でも同じような話があります。電安法対象外とわかっていても、どうにかして対象にしてPSEマークを表示したい・・・などなどもあります。例えば、LED照明器具のケースでも、「お客様の選択基準も安全性に重点が置かれる事からPSE対象外であるLED蛍光灯をあえてPSEマークを取得しました・・」実際PSEマークを付けているのはLED蛍光灯ではなくて、その電源である直流電源装置だということであるわけですが・・・
 
納入先に言われるそうですよ。
「あれ?電気製品なのにPSEついてないの?」
 
いくら対象外だと説明しても、
「PSEマークついてないんじゃ、話にならないよ」といった話の展開になることもしばしば。
 
話にならないのはあんたのほうだよ、と言いたいのはやまやまでも、これが大手のデパートやスーパーが相手じゃ、立場上なかなかそうはいえません。
 
「あんた、電気用品安全法をなんにも知らないのか?これは対象外だよ。勝手にマークはつけられないよ。」とも言えませんしね。それに、相手はバイヤー。
 
技術的なことを持ち出していくら説明してもこちらの話を理解してくれないし、信用もしてもらえない。それなら、無理やり電安法対象として機器を製作して、PSEマークを堂々とつけちゃえといった感じです。
 
安全に関する何かしらのマークがついていたほうが、取引先にアピールしやすいのだそうです。
マークだけが必要なのか?
「・・・。」
 
なんだか、複雑な感じです。
 
電安法にしろ、薬事法にしろ、マークや許認可の価値を競り合う目的で制定されているわけではありませんし、欲しい人にマークを差し上げる制度ではありません。
 
皆様の言い分は本当によく分かりますし、いったい誰のせいでもありませんが、販売の際のアピールポイントとしてマークや許認可を利用しなければならない「その状況」になんともスッキリできないのは私だけでしょうか。
 
 

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