こんにちは、PSEジャパンの櫨山(はぜやま)です。
しばらくぶりの更新です。
ひょっとして病気でもしているんじゃないかと、ご連絡をいただいたりして…。ありがとうございました。お陰さまで絶好調!海外出張等、出張続きで、今年は花見もろくにできないまま、季節は夏に移り変わろうとしております。
3月~5月にかけて、各地でセミナーを行いました。京都中小企業センターで行われた「ものづくりセミナー」にご参加いただきました皆様、鳥取県産業技術センター主催のセミナーにご参加いただきました皆様、ご多忙中にもかかわらず、たくさんの皆様のご参加に感謝いたします。
一般向けセミナーにご参加いただきました皆様、また、社内セミナーをご用命いただきました皆様、いろいろな情報交換ができ非常にうれしく思っております。
ところで、つい先日のこと。出張続きで、ようやく家にたどり着いた夜の話です。
家に帰るなり、妻が興奮した様子で「アイロンが火を噴いた」というのです。
電源コードを差して、テレビを観ながらアイロンが熱くなるのを待っていたら、突然すごい爆発音がした。その後、すぐに「ゴォーッ」という音が続いたかと思ったら、電源コードの付け根から火が出たのだといいます。
「すごい勢いでアイロンが燃えたんや。火事やで、火事!家が燃えたらどうするんや!」
恐くなってすぐにコードを抜いたのだとか。
何度も繰り返される話を聞きながら、私はふと思いました。
はて、アイロンが燃えたとは?
火花が出たのか?炎が出たのか?それとも煙が出たということなのか?
ひと通りの話を終えた妻に、改めて聴きました。
「炎が出たのか?」と。
「う~ん、たぶん火が出たと思う。」
だから、それは発煙なのか発火なのか?
「コードの色がどんどん変わって、線香花火みたいに導線を伝って『ゴォーゴォー』いうてたんやで!」
全く的を射ない答でありながら、何度も同じ話を聞くと、少しずつ状況がわかってきました。恐らく、炎が出たわけではないらしい。
屈曲時のストレスにより、電源コードが断線し火花が出た。ちょうどブッシングから火花が飛び出たので、外見には電源コードの付け根から火が出たように見えたのではないかと。
メーカーのウェブで社告を確認しましたら、やはり電源コードの問題であるとの報告がありました。
それにしても、ユーザーの証言とはあいまいなものです。
安全規格の観点からいいますと、煙と炎(ほのお)では雲泥の差。
妻の「火が出た!」という証言も、時間が経てばあいまいな証言です。
結局、火といっても火花が出たのではないか?はたまた娘の証言によれば、爆発音や異臭はしたものの、コードの色が変化しただけで火花すら出てないのではないか?というのです。また、その妹によれば、やはり火花は出てたのではないかと。
メーカーにとって、事故処理というのは大変な作業です。製品の構造に起因する事故なのか、誤使用による事故なのか、それとも経年劣化による事故なのか?
ですからメーカーはユーザーからの事故報告にじっくり耳を傾けながら、稀に二転三転する話から情報を抽出せねばなりません。特に初期の報告には、謝罪だけに徹してその場を取り繕うのではなく、ユーザーのご了解をいただいた上で、状況を把握するための情報提供をお願いせねばならないでしょう。
事故件数が少ない場合、いくらメーカー側で事故品を検証しても、同じ現象を得られるとは限りません。事故品を分析して、ある程度の検証は立てられるでしょうが、100%の実証を得ることは難しいケースもあるのです。
ひょっとして、どこかのロットに事故品が集中しているのではないか?経年劣化なのか?部品不良なのか?生産時の作り込みのミスなのか?
ユーザーの証言に耳を傾ければ、原因発見につながることもあるのです。
ですから、ユーザーの皆様方も、「とんだ製品をつかまされた!」と腹を立てるまではいい。しかし、根ほり葉ほり状況を聴かれたからと腹を立てないでいただきたい。こうして情報を収集しようとするメーカーほど、再発防止を志す立派な姿勢をもっているのですから。
どんな状況で、何が起こったのか?何度でも聴きたいとするメーカーほど、製品をこよなく愛し、またユーザーのことを考えているのではないでしょうか。


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