こんにちはPSEジャパンの櫨山です。
今日はCBTL試験所監査についてのお話です。
すでにご存知の方も多いと思いますが、CBTLというのはCB認証制度において認められたTesting Laboratory(試験所)のことで、各NCBにぶら下がるかたちでCBTLは登録されています。NCBから選抜された監査員が、お互いの試験所を IEC/ISO 17025(試験所の品質管理上の規格)に基づいて監査し合います。
実は私もテュフラインランドジャパンからIECEEに登録された監査員の一人です。IECEEから任命されて、これまでに多数のCBTL試験所の監査を行いました。訪れた国はアジアが多かったのですが、時にはヨーロッパに派遣されることもあり、旅行好きの私にとっては楽しみの多い仕事です。
といっても、監査はかなりのハードスケジュール。
事前にチューブFile一冊にもおよぶ大量の書類に目を通し、試験所の全体像を理解しておかなくてはなりません。それだけでも、約1週間の作業です。
帰りの時間までに報告書をまとめなければなりませんし、遊びの時間もありませんから、食事を通じて各国の文化をほんの少しだけ体験できる程度の旅です。
集合場所は滞在先のホテル。各国から集まる監査員とまずはロビーで顔合わせです。到着日は夕食をともにしながら、翌日からの監査について役割分担を決定。段取りを決めます。
(英語漬けの日々のスタートです。)
公用語は英語ですが、英語圏の人が監査員である確率は低く、特になまりの強いアジア系の方や、イタリア系、フランス系の方とチームになれば、コミュニケーションにも一苦労です。まぁ、むこうのそう思っているのでしょうが…。
試験所監査は通常チームで行われます。キャプテン(私が勝手のそう呼んでいたのですが)
即ち、主任監査者(Lead Auditor)1名とTechnical Assessor(技術監査員)2名 計3名体制が普段の監査隊形です。 監査範囲が広い場合は4名体制になることがあります。
キャプテンは字の如く、船長、監査の全体を取りまとめます。Technical Assessor(技術監査員)は現場に散って、試験設備、試験のやり方、経験した試験のFile等のチェックを行い、その結果をキャプテンに報告をします。監査員にも国民性が表れます。勤勉なドイツ人、チョイ悪なイタリア人。お色気漂うフランス人。談笑するには楽しいのですが、仕事ともなればチームでの足並みが揃わず、苦労することもしばしばです。
色々な国での監査を経験させて頂いて、いろいろな試験所を見せて頂き、自分なりに貴重な勉強にもなりました。
そんな中、食事は一番の楽しみ。食文化が異なるのはもちろんのこと、もてなしの方法も国によって異なります。
ヨーロッパは「あっさり型」。時間がくれば、はい、さよなら。といった感じです。接待という文化が根付いていないせいか、ランチはご一緒しても、ディナーに誘われることはほとんどありません。明日もあることですし、この方がこちらとしても楽ですが、時にはちょっと物足りない感も残ります。
一方、アジアは「熱烈歓迎型」。お断りしても相手は離してくれません。
中国では独特方法で、毎日円卓を囲んでおもてなし。でもアルコール度数の高いお酒には参ります。特に白酒(バイジョウ)。蒸溜酒の白酒は中国版焼酎ともいえ、50度ものアルコール度はかなり強烈です。
中国語で「乾杯(ガンベイ)!」と言ったら、一気飲み(飲み干す)の意になります。目があうと、「お互いの健康に乾杯来」。乾杯した以上、互いのグラスはすべて飲み干すのがマナーです。中国の試験所の監査で2週間ほど北京に滞在したことがありましたが、さすがに2週間の白酒(バイジョウ)はキツかった思い出があります。
先日、ちょっと検索してみたら、まだ監査風景がリンクでありました。
一風変わっていたのはフィンランド。こちらは「もてなし」というより、日本では考えられないような職場環境に驚かされました。なんとものどかな風景の中にその試験所はありました。
監査初日、午前の監査が終了しランチを一緒にいただいた後のことです。「さ、行こうか」と言って連れていかれたのは屋上にあるサウナ。云わずと知れた本家本元、フィンランドでは多くの職場にサウナが設けられており、休み時間にサウナに入るのだそうです。
裸の付き合いに慣れている日本人にとっては馴染みのある付き合い方ですが、他の監査員は最初何か違和感があったようですが、最後にはみんなでワイワイ裸の付き合いでした。
すっかり試験所の皆さんと親しくなった頃には、もうお別れです。
「またね」と言って別れても、もう2度と同じ場所を監査することはありません。そして、監査チームもここで解散。同じ監査員が再びチームを組むこともしばらくありません。
公平性を保つ意味ではよくできた監査システムですが、せっかく親しくなった人と再開できないのは寂しいですね。もしも、こちらからリクエストできるなら、もう一度訪れたいのは…やはり、フィンランドでしょうか。多忙な日本の職場を離れて、のんびりとした職場の風景に思いをはせる櫨山なのでした。
*写真は私が一番好きなヘルシンキの公園の風景です。私のPCの壁紙になっています。
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