こんにちは、PSEジャパンの櫨山です。
前回に引き続き、大阪で開催された製品安全セミナーについて(2009年3月10日開催)。
前回は、製品安全対策優良企業経済産業大臣表彰の受賞企業の発表にスポットをあてましたが、これら発表が行われる前に、製品安全対策優良企業経済産業大臣表彰の事務局を務められる東京海上日動リスクコンサルティングより表彰における審査のながれと、総括についてのお話がありました。
企業が製品安全に取り組む上で、ヒントになる要素がたくさん含まれる内容でしたので、ぜひ皆さんに参考にしていただきたく…
今日は、こちらの発表から特に参考になると感じた点をピックアップし、ご紹介いたします。
まずは、表彰における審査のポイントから。
---東京海上日動リスクコンサルティング㈱の発表資料より抜粋---
① 製品安全を担保すべき、範囲の拡大(長期使用、誤使用、改造の問題)
⇒製品のライフサイクル全体に渡ったリスクアセスメント
② 海外への生産拠点の移管
⇒製造委託先への積極的な関与(教育、モニタリング)
③ 海外からの部品、原材料の調達
⇒調達品の厳格な安全管理及びトレーサビリティ確保
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【① について】
安全基準を見たしていればいいわけではなく、今や、社会はライフサイクルにわたる安全性を求めているというコメントが発表時に説明として追加されました。
確かにそのとおり!櫨山もそう思います。このブログでも再三にわたり書いておりますが、電気製品でいえば、電気用品安全法で定められる技術基準は最低限の要求だと思っていただきたい!誤使用まで想定して信頼性試験を行う企業が増えております。また、測定範囲を広げて、わざわざ「イジワル試験」を実施するケースも増えてきました。
【② について】
製造委託先への積極的な関与が必要だというのです。もちろん、櫨山もそう思います。ですが…海外へ委託している場合は、自社の子会社でもないかぎり、なかなか難しいのでは?特に、輸入事業の場合は、現状で皆無だと思います。出来合いの製品(既製品)を中国から輸入して売る場合、工場の品質を確認するために現地に足を運ぶ会社は少ないようです。足を運ぶどころか、直接メーカーと取引していない輸入事業者のほうが多いですから。製品の構造の把握すらできていないのが現状です。
【③ について】
最終完成品のみならず、原材料(部品)のトレーサビリティまでおさえる管理システムを築くことが必要だというのです。確かに、それが理想です。しかし…現実は悪戦苦闘が続きます。
昔はよかった。かなりの割合で部品まで日本製でしたから、部品のトレーサビリティも取りやすかったと思います。しかし、海外への製造委託が増える昨今では、安全性の要求が更に高まる現代のニーズに逆行して、部品のトレースも取りづらい。さらに、部品単位の品質管理が難しくなるのはいうまでもありません。
実際に私が経験したケースでいえば、回路図と実装部品が一致しない…これはよくあることです。
さらに驚いたケースでは、評価試験の途中で対策を要求したところ、あっと言う間に改良サンプルが中国から到着。どこをどう変えたのか?というこちらの質問に対して、「何を改良したか忘れたから、サンプルを送り返してくれ」との返答。
輸入事業者でも委託先の中国メーカーを視察し積極的に品質管理に取り組んでいる会社もあります。それでも、部品の品質が原因で製品事故が起こったら、委託先の更に先にある部品メーカーにまで乗り込まねばならず、各社、悪戦苦闘しているようです。
中国では日本の大手部品メーカーのロゴマークを付けた偽部品が横行しているのも、これまた事実。聞くところによれば、ホームページに日本メーカーの社長の写真を掲載してまで偽物を売っている中国のメーカーもあるのだとか。本家本元ではそんな型番が存在しない…ということもあるようです。
話は変わり、組織体制について。
東京海上日動リスクコンサルティングの発表によれば、製品安全を管理する部門を経営者直轄にしている企業が多いのだとか。完全にこれを独立させて第三者の視点から管理する会社も。また、各部門に担当者を置いて、社員の取り組みと責任を増す体制をとっている会社もあるのだそうです。
確かに、経営者直轄にすることは非常にいいことだと思います。経営者直結型の会社が一番フットワークが良く、話が早いし、動きが早い!そうした会社は、そもそもトラブルが少ないのが特徴です。私の経験からいえば、100名以内の会社なら、製品安全の場に社長や専務が出てこられる会社かどうかで、取り組みのレベルに差がつきます。
製品安全セミナー時のお話によれば、表彰に応募した企業では、若い社員が製品安全を担当しているケースが多いのだとか。フットワークの軽い良い若手に任せることで対応をスピーディにしているのだそうです。なるほど!素晴らしいことです。
一方、同じ若い社員でも、実は違う理由で製品安全を担当している人も多いように思えるのは私だけでしょうか。私の経験からいえば、「任された」というよりは「押し付けられた」という人も中にはいらっしゃるようです。実は規模が小さな会社ほど、そうした押し付けが目立ちます。
私がご相談を受けるケースでも、「押し付け」られた若い社員の方が窓口の場合には、本題に入るまでの決断に時間がかかる。本題に入ってからもなにかと判断に時間がかかります。「私が社長に言ってあげるから」と、こちらが業を煮やして押しかけたこともあるほどです。
製品安全には経営陣を筆頭に全社で取り組むこと!何万人もを抱える大きな企業ができているのだから、小さな会社にできないわけありませんよね。
以上、製品安全セミナー。大変参考になるお話を拝聴いたしました。
(勝手に話を広げてすみません。)
製品安全対策優良企業表彰――ぜひ、みなさんにもチャレンジしてください。
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