製品安全試験:アブノーマル試験 - 製品安全試験 - アブノーマル試験 (電磁誘導調理器)


製品安全試験 - アブノーマル試験 (電磁誘導調理器)

 

こんにちは、PSEジャパンの櫨山です。
 
今日は製品安全試験 – アブノーマル試験についてのお話をしたいと思います。
呼び名については色々な言い方があります。 他には異常試験、単一故障試験、Fault Condition Test, 等まちまちな呼び名があります。
 
製品安全試験では、製品の安全性を評価する為、実施する項目はいろいろ多岐に渡ります。
温度上昇試験、耐圧試験、絶縁抵抗試験、漏れ電流試験、入力電流試験、プラスチックの燃焼試験、等々。
試験内容の例についてはhttp://www.pse-japan.com/solution/cat03.html参照。
 
このような製品安全試験の中でも特にエキサイティングな試験がアブノーマル試験です。
このアブノーマル試験は、意図的に製品を故障状態に陥らせ、その状態に於いてでも、火災感電の危険が生じないか検証をするためのものです。
製品の故障状態というものは、想定しただけでも限りなくあるでしょう。すべて行うのは到底無理な話です。そういう訳で、この試験では、一番ピンポイントの故障状態を想定して評価する為、製品を見るエンジニアの長年の経験、感、センスが求められると言えるでしょう。
そこには、その製品の動作原理、回路、構造、使用環境すべて総合して試験が決定されます。
時には、その試験途中において、危険が付きまとうことさえあります。
 
今回はこのアブノーマル試験の一例をご紹介します。
先日、電磁誘導調理器(IHクッキングヒーター)の電気用品安全法 技術基準適合確認試験を行った時の話です。
IHクッキングヒーターは電熱機器でもあり、やはり一番神経を使うのは火災の危険(熱による危険)。動作原理的に直接火を使う訳ではありませんが、電磁誘導原理で鍋そのものからの発熱(加熱)で料理する為の機器です。
 
基板上の部品等を短絡、開放等を行い保護ヒューズが確実に切れる試験、温度センサーの故障、開放ももちろん行いましたが、いよいよ最後のメインイベントは空焚き状態の後確実に温度保護(自己診断)機能が働き、入力が制限され、空焚き状態がストップするかどうかの試験の時の話です。
 
試験鍋に水を入れない状態でしばし空焚き状態で加熱・・・(写真の状態です。)
 
3分も経たないうちに鍋底は赤熱してきます。その状態で、更に布巾等を鍋の中に入れ忘れた状態を想定しチーズクロスを鍋の中に投入。すると瞬時にチーズクロスから発火。
(写真の状態の通り、炎があがります。)
 アブノーマル試験(電磁誘導調理器)空焚き.jpg
結構、厳しい状態に陥ります。
空焚き+布巾の置き忘れの二重の異常状態の想定、また、製品の必要機能(調理に必要な温度を下げられない)から、この状態を不適合とすることはできないアブノーマル試験結果の事例ですが、この状態は使用環境において十分想定の範囲の状況です。周りにカーテン等あれば、非常に危険な状況です。
依頼者には絶対空焚き状態にしないよう十分な注意喚起を求めました。(警告文の投げ込み、製品に警告シール、取扱説明書内での強調警告)
 
特にIH電磁誘導調理器については、ガスコンロとは違い、直接火を使って調理するわけではなく、使用者は感覚的に熱による火災の危険についての認識が希薄になると言えます。
 
皆さんも IH調理器の空焚きには十分ご注意ください。
 

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