リチウムイオンバッテリー (電安法)


 

こんにちは、PSEジャパンの櫨山です。
今日もリチウムイオンバッテリーについてのお話、続きです。
 
Episode 2◇
 
輸入事業者さんからこんなお問い合わせがありました。
 
「中国からリチウムイオンバッテリーを輸入することになっている。メーカーによれば体積エネルギー密度が400Wh/Lということだが、口頭では信用できない。体積エネルギー密度は電安法の対象・非対象に関わるので、これだけを日本で確認することができるのか?」
 
いいポイントですね。リチウムイオン蓄電池については、確かにメーカーをどこまで信用できるか…が電安法対象・非対象のキーとなります。
 
ちなみに、電気用品安全法施行令別表第二では、リチウムイオン蓄電池の範囲は次のように定められております。
 
「単電池1個当たりの体積エネルギー密度が400W時毎1以上のものに限り、自動車用、原動機付自転車用、医療用機械器具用及び産業用機械器具用のもの並びにはんだ付けその他の接合方法により、容易に取り外すことができない状態で機械器具に固定して用いられるものその他の特殊な構造のものを除く。」
 
また、経済産業省 によれば、
 
「体積エネルギー密度は、一般的には電池製造事業者(電池メーカ)から仕様書において提示される。」
 
つまり、対象・非対象の判断はメーカーの仕様書に頼らざるを得ないとしながら、一切の義務は届出事業者である輸入事業者が負わねばならないのが現状です。
 
そうなれば、輸入事業者も黙ってはいられません。私がご相談を受けた輸入事業者さんが言うとおり、このご時世においてどこまで中国メーカーの仕様書を信じられるか??というところに議論が発展するのも納得できます。
海外メーカーをどこまで信用するのか?気づいた点は確かによかった。
では、体積エネルギー密度400Wh/Lを超えないことさえ立証できれば、後は手放しで喜べるのか? 輸入事業者さんが確認したかったのは本当にそこだけなのか?
 
そもそもリチウムイオンバッテリーが電安法の対象となった経緯を考えてみましょう。発煙、発火、焼損、爆発…製品回収。
 
体積エネルギー密度400Wh/L以下を立証できたところで、388Wh/Lと408Wh/Lの違いとは一体…?
電安法の規制を逃れたところで、手続き上は手間が省けたかもしれませんが、事故リスクが軽減されたとは言い難いのではないでしょうか。
 
このケースで、中国メーカー側が輸入事業者に提供できるテストレポート類は一切無いといいます。輸入事業者のお望みどおり400Wh/L以下であることさえ立証されれば、電安法対象外となる。
 
しかし…安全性に関しては「野放し??」ということですね。恐ろしい話です。
 
話は変わって、別の中国メーカーからはこんな質問を受けました。
 
「体積エネルギー密度が400Wh/Lの場合、輸入事業者に対して仕様や技術書類を提供する必要はあるのか?」
 
確かに…無いです。法的にはありませんよ。しかし、輸入事業者においては消費生活用製品安全法, PL法における義務もあるわけですから、なんの安全性の確認もされていないような製品を売るわけにはいきません。
 
400Wh/L以下だからと輸入事業者の要求を跳ね除けるのではなく、たとえ任意でも規格に適合させるようにするなど安全確保に協力してください。今後も日本企業とのビジネスを望むなら、そうした姿勢が大事ですよ。」と中国メーカーには回答しましたが、彼らの質問の意図を疑わずにはいられません。
 
輸入事業者におかれましてはPSEマークの有無も大事ですが、電気用品安全法が存在する意味、つまり製品安全の確保という根本的な概念を十分に考慮した上で、製品を輸入するようお願いします。

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