電気用品安全法 - 電気用品安全法における「販売者」の苦悩


電気用品安全法における「販売者」の苦悩

 

こんにちはPSEジャパンの櫨山です。
 
先日もお話しましたが、秋は社内セミナーの依頼が多く、10月、11月と、いろんな会社に訪問させていただきました。
 
とある大手メーカーさんでの社内セミナーでのこと、こんなお話がありました。どの会社にも共通しているお悩みだと思いますので紹介します。
 
その会社では製品の開発をメインとしているものの、付属品のACアダプタなどは国内で調達しているケースがほとんどです。国内製をメーカーから調達する場合と、海外製をその代理店から国内で調達する場合。コストさえ合えば、輸入の手間が省ける。また、電気用品安全法上の責任を直接に負わないなどの理由で、これまで国内調達を行ってきました。
 
確かに、上のケースのように海外製を国内の代理店から購入している場合は、電気用品を輸入している代理店が届出事業者となるため、国内でこれを購入する会社が法的義務を直接負うことはありません。
 
しかし、ひとたび電安法から離れてみれば、いくら「販売者」という立場でも、この会社が取り扱う電気用品の安全性を完全に無視することはできません。付属品であっても銘板(ラベル)には販売者名を記しており、またブランドをアピールするために、わざわざロゴを表示しているのです。
 
事故が起こった場合には、輸入事業者ばかりを責めるわけにもいきません。消費者はブランドを信用して購入しているわけですから。
 
リコールや自主回収が立て続けに行われる昨今、セミナーでは、国内調達であっても仕様書や証明書類を取り寄せるなど、なんらかのかたちでブランド元が安全性を担保することをお勧めしております。
 
そんな中、こんなお悩みがよく聞かれます。
「購入台数によって、取引先代理店の対応が違うので困る…」
 
海外製を国内代理店から購入する場合、代理店に仕様、回路図、評価レポート、適合証明書を要求しても、購入台数が少なければそれを開示してくれる代理店が少ないというのです。
果たしてこれは、購入台数が少ないお客に対する意地悪なのか?それともなんらかの正当な理由が存在するのか(たとえば機密保持)?単に面倒なのか?
 
受注台数によってお客様への対応を変えるのは勝手ですが、この代理店が輸入事業者である場合、製品の安全性を担保するのは当然であり、なぜOEM先に対してその開示をもったいぶる必要があるのでしょうか?ブランド販売者が製品の安全性を心配するのは当然のこと。法的義務は逃れられても、事故が起こればブランドに大きなダメージを及ぼします。
 
やはり疑わしきは、代理店(輸入事業者)事態が電気用品安全法のことをよく理解していないのではないかということです。とにかく「メーカーの機密事項ですから」と言って逃れてしまう。ぎゃーぎゃー言う客にはこれが一番ですからね。つまり、多くの場合は機密保持が理由ではないのではないか。自分達が理解していないことを要求されるのが恐いから問題を遠ざけているのではないかと思うのです。
 
しかしこれを購入しているOEMブランドはたまったものじゃありません。海外メーカーも理解していない、代理店も理解していない…そんな製品にブランドを背負わすわけですから。
 
「メーカーの機密事項??」よほどの最新機器は別として、これまで私が相談を受けた販売者が購入しているのはACアダプタや電源コードセットです。
 
ACアダプタのどこに機密事項があるというのか?カパッと外郭を開ければ回路なんて丸わかり。これ以上、何を隠す必要があるというのでしょう。たとえば回路図と製品試験レポートを開示したところで、たいしたノウハウが流出するわけではありません。大手電源メーカーの中には仕様やCBレポート、信頼性評価レポートをウェブで開示しているところもありますよ。
 
ブランドを背負わせる販売者の苦悩はこれからも続きます…。

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