毎朝会社の駐車場の前を通ると金木犀がいい香りで本格的な秋の訪れを伝えてくれています。
毎年、この時期になると本当に月日の経つのが早いなぁと感じます。
今日は、電気用品の使用環境について。
電気用品の安全性を検証する時、その基準となるのがいわゆる規格(技術基準)です。
電気用品安全法では、届出事業者に当該電気用品の技術基準適合確認を義務づけています。
技術基準では、あらゆる使用環境を想定して、安全性の基準を設けているのですが、実は技術基準では想定されていない使用環境は十分に存在します。
例えば、こんなケース。
電気ケトル(電気用品名:電気湯沸かし器)をご存知でしょうか。
忙しい朝の風景に、子供でも簡単にお湯が沸かせちゃうというコマーシャルでお馴染みの
「(CMソング)あっというまにすぐに沸く…♪」がその代表といえます。
お湯を沸かすための電気ケトル。
でも、沸かせちゃうのはお湯だけではないということを開発する側は知っておかねばなりません。
何を隠そう、私の友人のアメリカ人は、電気ケトルでラーメンを料理します。
インスタントラーメンをポキポキ割って電気ケトルに入れ、水を張って調理します。
それから、缶詰のチキンヌードルスープやクラムチャウダーを電気ケトルに入れて、平気で煮立ててしまいます。食べるときは給湯口からドボドボとボウルに注ぐという、なんとも合理的な料理方法です。
もちろん、汚れた電気ケトルは水でジャバジャバ丸洗い…。
こうした製品の場合、技術基準に基づいた安全性試験では溢水(いっすい)絶縁試験を行います。水があふれた場合電装部に入り込み、感電の危険がないか調べるための試験です。
でも、技術基準で想定するのは、水があふれ、こぼれが原因で電装部に入り込む程度の水です。
つまり、ジャバジャバ丸洗いによる水の浸入は技術基準の「想定外」ということになります。
でも、でも、でも、でも、そんなの関係ねぇ!とばかりに、世の中の奥様方はそんなことはお構い無し。安い製品なら、「壊れてダメ元だわ」くらいの感覚で、開発者の想像を絶する勢いで丸洗いを繰り返します。
壊れるだけなら、いいんですよ。でも、心配なのは、次に電源を入れた時の感電の危険です。ですから、製造する側は、こうした「想定外」の使用環境を考慮して「丸洗い厳禁!」を本体や取扱説明書に記して呼びかけるなど、消費者の注意喚起することが必要なのです。
電気用品を技術基準に適合させることは当たり前!更なる安全性を求めるには、技術基準が想定しない使用環境も考えて開発に取り組まねばなりませんね…というお話でした。