技術基準適合確認 - 製品安全試験


 

こんにちは、PSEジャパンの櫨山です。
 
突然ですが、私の職業名とはなんでしょう?
 
有名女優さんのご主人は(元ご主人?)は「ハイパーメディアクリエーター」というご職業なのだとか。いったいどういうご職業なのか、専門外の私にはよくわかりませんが、いわゆる「業界人」とよばれる方々にはピンとくるネーミングなのでしょう??
 
また、最近観た別のTV番組では「不動産クリエーター」という職業が紹介されておりました。
 
なるほど…「○○クリエーター」という職業が最近は注目されるようです。
とはいえ、クリエーターというのは何かを創造する人のこと。ならば、私はどうがんぱっても、クリエーターにはなれません。どちらかといえば、サポートする側の人間ですから。
 
雑誌の連載や、著書、セミナーの講師プロフィールには「製品安全コンサルタント」という肩書で紹介していただいておりますが、「コンサルタント」という響きが、なんだかうさん臭いと思われやしないかと常々心配しております。
 
長ったらしい感じもなく、私の職業を端的に説明でき、かつ、万人に支持されるようなかっこいいネーミングはないものでしょうか?
 
「こんにちは、『ハイパー・セーフティ・サポーター』の櫨山です。」
 
う~ぅん、なんだかしっくりこないですね。 だめだこりゃ・・・
 
さて今日は、テストレポートの必要性についてお話しましょう。
まずは、「テストレポート」という言葉を聞いたことのない、あなたのために、そもそも「テストレポート」とはなんぞや?というところから始めます。
 
電気用品安全法における「技術基準適合確認」を思い出してください。
「技術基準適合確認」とは、届出事業者に課せられた義務のひとつであり、当該電気用品の技術基準(規格ともいう)へ適合を確認することをいいます。
 
「確認」といっても、規格を読み込んで設計しただけの、単なる「みなし」ではなく、出来上がった製品が本当に規格要求を満足しているかどうかを、改めて、試験をもって検証します。一般に「製品評価試験」ともいわれ、「確認」といえど、これはれっきとした「試験」のことです。
 
では、「技術基準適合確認」における記録の作成方法は?
 
実のところ、電気用品安全法では、実施した「技術基準適合確認」についての記録の方法を定めてはいません。どんな方法で記録を取ろうが、どんな記載形式にしようが、それは事業者の自由です。さらに驚くべきことに、そもそも記録を取らなければならないという要求自体、電気用品安全法にはないのです。
 
つまり、技術基準に適合しているかどうかを「確認」することがその要求であり、結果を記録しろとまでは要求されていません。
 
しかし技術の経験を持つあなたならわかるでしょう?
「試験」を行えば、その結果としてデータが手元に残ることは当然ですよね。これを記録せずにして、どうして検証した事実を立証することができるのでしょうか?
 
いや、ちょっと待てよ…。
うちの「特定電気用品(ひし形PSEマーク)」は、登録検査機関で適合性検査を受けたけれども、「適合検査証明書」の交付しか受けてないぞ?テストレポートは出てこなかったぞ?
 
と、いう人もいるでしょう。
 
えぇ、そのとおり。   わざわざリクエストしなければ、テストレポートは発行されません(通常は別途料金にて発行)。
 
登録検査機関で行った「適合性検査」というのは、第三者によるダブルチェックのようなもの。つまり、「技術基準適合確認」を事業者で行った後、ダブルチェックとして第三者による検査を行う流れになっています。
 
しかし、その内容は事業者が行う「技術基準適合確認」とおおかたにして等しいわけですから、多くの場合、自社で「技術基準適合確認」を行わずして、いきなり登録検査機関による「適合性検査」を受ける事業者が多いというのが現状です。
 
もちろん、登録検査機関ではデータを取り、それを決められた一定の期間保管します。試験データに基づき、技術基準に適合していることが確認できれば、「適合証明書」を交付するわけですが、そもそも「技術基準適合確認」を事業者側で行ったうえで、ダブルチェックとして登録検査機関に適合性検査を申請していることが前提ですから、
 
「わざわざ登録検査機関が第三者の立場で試験した、そのデータをお要りようですか?あなた方でも技術基準適合確認(製品評価試験)を行ったのではないのですか?もちろん登録検査機関が第三者のダブルチェックとして行った適合性検査の裏付けは提出します。有料ですがどうぞ…」ということです。
 
有料ですが、よければどうぞ…。
 
ここが、ミソ、みそ、八丁味噌。
はい!有料でももらってください!というのが私の意見。
 
上にも述べたように、「技術基準適合確認」と登録検査機関による「適合性検査」を兼ねてしまったのなら、当然、自分がやらねばならなかった「技術基準適合確認」のデータを届出事業者は手元に残したいはず。
 
いったい、①どの基準の、②どんな要求項目を、③どのレベルで「Pass」したのか?届出事業者であるあなたが、お知りになって当然なのです。
 
今日のブログは長くなりますが、もうひとつ、ちくりっ、と言わせてください。
最近、あちらこちらで目にする「特定電気用品以外の電気用品(丸PSEマーク)」に対する証明書。あれは何の意味があるのか?
 
外国の検査機関や試験所が出しているケースが多いようですが、あんな紙切れ一枚で、あなたは安心してはいませんか?「適合」のその一言が書かれた、たった一枚の紙ですよ。高い金額を支払って、あなたの代わりに「技術基準適合確認」をしてもらえるよう依頼したわけです。
 
「適合」
 
この一言が書かれた紙切れ一枚で、いわゆるテストレポートも無しで、届出事業者の責任を丸抱えするのは少々危険ではないかと…。
 
突然、その検査機関(試験所など)が無くなったらどうするのですか?あなたがせっかくお金を払って依頼した「技術基準適合確認」はどうなるのですか?
 
また、検査機関(試験所)にしても、こうした業務の提供では、申請者に不親切ではないかと思うのです。
 
確かに、データをテストレポートに起こすのは大変な作業です。時間もかかれば労力もかかる。紙一枚で乗り切れれば、手間も省けて、試験代もすぐに請求できる。コスト面でも競争できる。
 
「テストレポートはお要り用ですか?証明書だけで十分ではないですか?それなら安く済みますよ。」
 
これでは、あまりに不親切じゃないの?
 
ここでいう、証明書とは体裁の良いただの紙切れにすぎません。特定電気用品に対して登録機関が交付する適合証明書とは全く意味が違います。
 
お客様が、数ある検査機関(または試験所)の中から、信頼あるパートナーとしてお選びになったわけです。ですから検査機関には、少々手間がかかろうが、料金が上がろうが、お客様にとって何が一番大事なのかをお伝えする勇気を持ってほしい。
 
「お客様、安いだけがすべてではありません。弊社では必ずテストレポートをお取りいだき、それが基本料に含まれております。他社に比べ高いかもしれない。しかし、何ひとつ偽りのない、そして品質に自身があるからこそ、そのデータを開示し、お客様に提供しているのです。これは技術基準に適合しているかどうかを示すレポートですよ。この必要性がわからないお客様など、私どものお客様にはふさわしくありません!」
 
あぁ、これを、声を大にして、フルボリュームにして言ってほしい。
これが言える検査機関が増えると、日本の製品安全の未来も明るいといえるでしょう。
 
届出事業者は、テストレポート(または「試験成績書」ともよばれる)のコメント欄にも注目してください。
 
「P(適合)」「N(該当せず)」「F(不適合)」
 
要求事項欄の横に書かれた、これら「P」「N」「F」の整列…。
 
なんのこっちゃ?
コメントを書きなさい、コメントを!
 
電気用品安全法に限らず、CBレポートやその他のテストレポートも同様、判断理由を示すコメントは重要です。
 
なぜ、「P(適合)」なの?
なぜ、「N(該当せず)」なの?
なぜ、「F(不適合)」なの?
 
誰が見ても、その判断理由がわかるように、堂々とコメントを書いてほしい。
テストレポートは後で誰が見てもすぐその製品が理解できるような内容であるべきです。
 
さぁ、ここで話を元にもどして…
 
電気用品安全法の要求は、緩和されているようで、実は不親切なのではないかというのが本日の「ぼやっきー・ハゼヤマ」です。
 
「技術基準適合確認」だけではなく、その記録を保管することまでもを法律で要求したほうがいいのではないか?
 
技術者が普通に考えて、データは手元に残すでしょ?しかし、それの要求が明示されていないがために、そんなことがお判りにならない方もいらっしゃるわけです。
 
特に、電気用品を海外から輸入して販売をメインでやっている輸入事業者などは、本当に可哀想。それが明示されていないがために、海外メーカーに騙されて、紙切れ一枚を握らされて…。挙句の果てに「技術基準適合確認」をすべて背負込む。
 
これで、その紙切れ一枚を出した試験所と連絡が取れなくなったら…(ひぇ~っ!驚愕)
あんた、一体どうするの?
 
それに、登録検査機関だって、まさか、まさかに、その登録が取り消されることもありえるわけです。そして、耳を疑っても、残念ながら、それは実際に起こってしまった。
 
そうなれば、第三者の立場で検査したという事実は残っても、実際に電気用品が技術基準に適合してるという事実はどこにあるんですか?検査した証拠ではなく、適合した証拠…。
 
あなたのデータを、一刻でも早く救出したほうがいい。違う登録検査機関で適合性検査を受けるにしても、前のデータを持っておいたほうがいいじゃありませんか?もし、見解が異なったらどうするんですか?
 
と、いうか、そんなことも実際に起こっているわけでして、私のもとにも、すでに相談が寄せられております。
 
テストレポート。あぁ、テストレポート。
 
「追加料金は当然です。テストレポート出してください。」と、ぜひあなたも言ってください。
 
検査機関の対応が変わります。
「おぅ、ここにもプロがいた」と。
 
万一、この申し出を嫌がる検査機関あるのなら、こっちから願い下げてやりましょうよ。
 

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