2009年9月


 

こんにちは、PSEジャパンの櫨山です。
 
すっかり秋らしくなりました。
シルバーウィークは、皆さまいかがお過ごしになりましたでしょうか?
私はといえば、前半は仕事。後半は家でゆっくりさせていただきました。
 
さて、今日は認証検査費用のお話です。
 
皆様もご存知のとおり、検査費用というのは各社一律ではありません。
検査会社によってその価格は大きく異なります。
 
開口一番に「値段を負けろ!」とおっしゃるお客様へ…どうぞ私の話を聞いてください。
 
検査機関で値段を決めているファクターといえば、それはもう人件費ではありませんか?
検査や試験に割く工数にそれほど変わりはありません。あとは、1ユニットあたりの値段の問題でしょう。
 
検査機関のコストの最大の要素といえば、測定設備と人件費。測定設備の償却やなんかも多少影響するでしょうが、実際お客様ご負担いただく検査費用に大きく影響するのはむしろ人件費のほうです。
 
それじゃ、人件費を削ればいいじゃないかという話になるわけですが・・・。
多少の企業努力である程度の人件費は削れるかもしれません。
しかし、あまりに落とし過ぎれば、それ相応の知識レベルのスタッフしか集まりません。
 
検査機関の役割といえば、検査作業は当然のこと、持ち得た知識を広く提供することでもあります。長年の経験、勉強なくして、検査は行えず、安全性を精査することもできないわけです。
 
仕事欲しさに単に価格帯を下げて、がむしゃらに営業利益をあげようと検査機関がしようものなら…あとは試験の工数を省略する。つまり、やるべき試験をやらないことぐらいしか方法はないのではないでしょうか。もしくは、とるべきデータをとらないでいる。残すべきデータを残さないでいるといった方法です。安い人件費の検査員を動員して、大量生産のように試験するしかないのです。
 
しかしそれは事実問題、不可能なお話ですよね。これでは何のために検査を行っているのか、検査機関の資質に関わる問題です。
 
検査機関ができる最大の努力として、人件費はひとつに挙げられます。ただし、それは決して現在の知識レベルを低下さないことを条件としなければなりません。
 
以前にこんな話を聞きました。
とある検査機関で欧州向けのEMC試験を行った時のことです。
何度対策を施しても限度値をオーバーするといった時に、
申請者がこう言い放ったというのです。
 
「おまえに任せていたらNGばかりじゃないか。
よそでは限度値に入るように測ってくれるぞ!
時間がかかっているのだから値引しろ!」
 
NGを出さないことが検査機関の役目ではありません。むしろ、最もシビアなコンディションにおいて製品が問題ないか、安全であるかどうかを見極めるのが検査機関の役目であって、金を払えばハンコを押してくれる存在ではないのです。
 
ところで、話は6年前にさかのぼります。
電気用品安全法の適合性検査に民間の検査機関が参入することについて議論された場面がありましたのでご紹介いたします。
 
(それまでの電気用品取締法では、国の指定検査機関のみが検査を行っておりました。民間の検査機関が経済産業省に登録して検査することが認められるようになったのは現電気用品安全法に移行されてからの話です)
 
~抜粋~
第156回国会 経済産業委員会 第19号
平成十五年五月三十日(金曜日)
    午前九時三十二分開議
 
中村政府参考人 お答えいたします。
 平成十一年度の基準認証一括法案においては、公益法人の要件を撤廃して、営利法人等が自由に参入できるとして、原則として料金、手数料等についても大臣認可制でなくて各機関が自由に決めるということにしております。
 したがいまして、全般的に役所が料金の傾向を把握しているわけではございませんが、例えば、電気用品安全法に基づく適性検査の手数料体系について見ると、検査機関ごとにまちまちではありますけれども、同じ手数料体系をとっている財団法人の電気安全環境研究所というものと、株式会社のコスモス・コーポレイションというものなどを比べてみると、営利法人の方が大体一割ぐらい低い手数料を設定している。そういう形で参入を図っていっているということが実態です。ただ、個別によっては高いものもあれば低いものもありますけれども、総じて言えばそういう傾向があるというふうに思います。

奥田委員 ぜひとも、法律の方が先にできるわけですけれども、そういった公益法人での標準価格と申しますかそういったもの、やはりそれを行政が高いか安いかということの判断というのは大変難しいものもあるかとは思いますけれども、やはりほかの競争産業の中である価格のように、価格動向といったものにもしっかりと関心を払っていただきたいですし、後から出てくるとなると、どうしてもお客さんをつかまえるために一つのダンピングみたいな形の商取引が生じたりして安全といった部分がおろそかになったりということも予想されたりもしますので、その点の指導監督といったところをしっかりとやっていただきたいと思います。
 
※【議事録より抜粋いたしました】
前後を省略することにより、表現に誤解があるといけませんので、ぜひ全体をお読みください。
↓↓↓
 
全体の話からすれば、公益法人の適正価格などの議論から派生したコメントだったようですが、まさに6年も前にすでにこんな議論がなされていたのですね。国会もなかなかするどいところをついて議論しているではないですか。
 
「…どうしてもお客さんをつかまえるために一つのダンピングみたいな形の商取引が生じたりして安全といった部分がおろそかになったりということも予想されたりもしますので…」
 
そうなんですよ、まさにそうなんです!
私はこれを懸念しているのです。
 
実は、値段をたたくお客様ほど製品安全、認証に関しては経験の浅い方ばかりです。
できの悪い製品を安く海外から調達して、安く売るために認証費用をたたきます。
「早くしろ、安くしろ」と言って検査機関を急かし立てます。
 
急かされて、他社の見積を見せつけられて値を下げて(民間の検査機関の話です)…検査機関の本来の役割とすれば、ためになることは一つもありません。
 
さぁ、もう一度お聞きします。
それでも安いに越したことはありませんか?
どこに試験を任せても同じですか?
 
全く同じ製品がより安く買えるのならバン万歳!
しかし、検査においてはなんでも安い金額で試験できたぞ、バン万歳!というわけにはいきません。
 
例えば、事業者が主体となり製品の安全性を確保しなければならないCEマーキングや電気用品安全法においては、御社の代わりに検査機関が検査してくれているという考えを忘れてはなりません。
 
あくまで主体は事業者ですから、信頼できるパートナーを選ぶつもりで慎重に検査機関を選出していただきたいのです。試験方法に問題があった場合、あとで「検査会社に任せたからうちは知らない」というわけにはいきませんよ。証明書の交付を受けない「自己宣言」だから、または特定電気用品以外の電気用品だからと、安く試験できればそれでいいという全く無責任な考えは今すぐ捨ててください。
 
製品の安全性を確保しなければならないのは、あなた。
そして、その検査機関をパートナーとして選ぶのは、あなた自身です。
 
弊社を含め、検査機関はただだた本来の役割を果たすため精一杯の努力をして皆様にご満足いただくほかありません。
 
もちろん、お値段も大事なファクター。
それは各検査機関の企業努力でカバーすることを大前提に、皆さまおかれましては信頼できるパートナーをよく見極めて選んでいただきますようお願いいたします。
 
 

 

こんにちはPSEジャパンの櫨山です。
どういうわけか、お客様のご用命というのは重なるもの。
 
東京の某所に呼ばれて、明日は名古屋かと思ったら、また東京に呼ばれて…。秋に突入してからますます出張が増えてまいりました。
 
今日は、日常における事故防止について(温水洗浄便座)。
 
先日、とある場所で突然「大」の気配を感じましてトイレをお仮りしましたところ、私の右のおしりに激痛が。
 
「ムカデに噛まれた!」
 
びっくりして立ち上がったのですが、便座にそれらしき姿はありません。
もう一度座ると、先ほどの箇所にまた激痛が!
 
立ちあがって周囲を見渡しましたが、やはり姿は見えず。
「…。」
 
目が悪いもので、もしかしたら見えていないのかと手で感触を確かめることに。
すると、ヤツが正体を現したのです。
 
なんと、それはムカデではなく、便器に入った亀裂。
立ちあがると亀裂が見えなくなってしまうのですが、私のおしりの重さで便器の亀裂が正体を現わし、私の大事なヒップの「身(み)」をはさんでおりました。
 
なんと、恐ろしい…。仕事中の出来事とはいえ、これって労災は下りるのでしょうか?
 
ところで温水洗浄便座といえば、最近では長期使用が原因の事故が増えており、経済産業省でも消費者に注意を呼び掛けています。
 
「故障したままで使わないでください。」
 
酸・アルカリ性の洗剤を使用することで、気化したガスが金属を腐食し、本体(外郭)に穴があく。水なども入り込んでトラッキング現象が起こった事例もあるのだそうですよ。
 
電源プラグのほこりも事故の原因になるでしょう。
 
温水洗浄便座協議会が配布しているチラシでは、
 
「製品にひび割れが入っている、こげ臭いにおいがする、電源プラグやコード及び本体が異常に熱い、暖房便座が暖かくならない、電源が入ったり、切れたりする、水漏れしているなど」という現象に特に注意するよう呼び掛けています。
 
 
「製品にひび割れが入っている…(どきっ!)」
 
ほんと、これは気をつけたほうがいいです。
 
電気的な危険が無い場合も。
たとえ使用を中止して、電源コードを抜いたとしても。
 
ひび割れだけで大事なおしりがケガしますからね。

 

こんにちはPSEジャパンの櫨山です。
 
最近は新幹線だけでなく、車で各地に行くことが増えてきました。新幹線の中では本を読んだり仕事をしたりできますが、車ではそういうわけにもいかず…。
 
用意した音楽を聴きながら運転しております。眠くなるといけないので軽快な音楽を選曲するようにしているのですが、やはり歌謡曲が中心になっております。そうしてふと思ったのが、同じ歌謡曲でも若い時とはその聴き方と感じ方が変わってきたということ。さらに、歳を重ねるにつれて純情な恋心をうたう詩に特に心を揺さぶられるようになったのではないかということです。
 
若いころは恋愛においても激動のまっただなかで、純情な恋心なんてこっぱずかしい感じがしておりましたが、今となってはそれを懐かしんでいるのでしょう。
 
多くの主婦が韓国ドラマに没頭するのもわかるような気がします。遠い日の思い出を年配の目で見つめなおし、懐かしんでいるのだと思います。若い頃は詩を自分に移し替えて共感しておりましたが、50も過ぎれば現実逃避の妄想で詩に共感しているのかもしれません。
 
さて今日は、海外から輸入する際の注意点について。輸入事業者に、仕入れを決める前にご考慮いただきたい点についてです。
 
製造メーカーのご相談で一番多いのが、その製品が規格に適合できそうかどうかということ。一方、輸入事業者のほとんどが技術的なことに全く興味がありません。自分が輸入する製品のことすらよくわからない人がほとんど。「とりあえず」製品評価にかかる費用をとりあえず教えろという人もいます。
 
仕入れを早急に決定しなければならないので、すぐにでもコストを知りたいというのですが、輸入事業において、実は認証や試験のコストだけが仕入れの決定を左右するポイントではありません。
 
確かにコスト調査は必要なもの。あまりに少ないロットに対しそれにかかる経費が大きければ、バランスを見極めて輸入自体を諦めねばならないこともあるでしょう。
 
「コストが合わないから・・・(嘆)」と諦める理由をコストのせいにしている方もいらっしゃるようですが、本当の理由はそこではないことがほとんどです。
 
海外から出来上がった製品を買う場合(日本側が開発して海外メーカーに製造させているわけではない)、製品の情報をどこまでかき集められるか?が最大のキーポイントとなります。
 
また、これが特定電気用品の場合は、海外の工場側で工場検査を受ける必要がある等、海外メーカーの全面的な協力が必要となります。
 
輸入ロットが少ない場合、いくらコストがカバーできたとしても、メーカーが輸入事業者に協力しないケースが考えられます。
 
こんなロットでは協力できない。協力してやるから、購入ロット数を増やせと要求することもあるのです。
 
さらに、他国の貿易業者が仲介する場合(とくに香港が多いようですが)は気をつけなければなりません。仲介者はとにかく輸入事業者に売ってしまいたい。しかし、肝心な場面で製品の情報を要求したところで、メーカー側(工場側)に取り次いでもらえないケースが頻繁に発生しております。
 
ですから、コストを調べる前に、まずは海外メーカーの協力を全面的に受けられることを確かめてから行動を起こさねばなりません。
 
最近では多くの輸入事業者の皆様からお問い合わせいただきますが、見積もりをする前に出なおされる方も少なくはありません。
 
「メーカー側の協力を得られますか?」という質問が一つ目のハードル。
「製品の情報をかきあつめられますか?」というのが二つ目のハードルです。
 
弊社の営業担当のフォローによる後日談によれば、この2つのポイントで、海外メーカーとの関係がうまくいかなくなったということもしばしば。なかには半年もアメリカのサプライヤーと協議し、中国工場に働きかけた結果、新たにサプライヤーをお探しになっている方もいらっしゃいます。
 
いくら各検査機関が見積もったところで、検査機関にすれば骨折損のくたびれ儲け…。
こういう人ほど、「今だ、今だ」と見積もりを急かしますが、一向に製品の情報すら出てきません。
あちらこちらの検査機関をにぎわせた結果、
「最初からカタめて出直してこいよ」ということになるのです
 
輸入事業者の皆様におかれましては、まずはメーカーサイドと十分協議し、協力を得たうえで各検査機関およびコンサルタントへお問い合わせくださいますようお願いいたします。
 

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